1983年、北海道での設立以来「安全・安心・快適・便利なサービス」をITにより最大効率で実現すること による社会貢献を目指すウェルネット株式会社。端末からサーバへ処理が移行するクラウドサービス時代 の先駆けとして、イノベーティブな挑戦を続けている企業です。札幌本社は「ひとつ屋根の下」をコンセプトに、活発なコミュニケーションを実現できる斬新かつ機能的なデザインとなっています。

ウェルネット様からは、今までのオフィスが少し閉鎖的なところがあったので、それを解消する建物をつくって欲しいというオーダーがありました。オフィスワーカー に寄り添った、健康に配慮したオフィスにしたいと。そこでWELL認証をご提案したところ、最高ランクである「WELL認証プラチナ」を目指すことになりました。 WELL認証はInternational WELL Building Institute(IWBI)が主導する、人の健康とウェルビーイング（身体的、精神的、社会的に良好であること）に 影響を与える様々な機能や制度を測定・評価・認証する評価システムです。休憩時間はどのくらい取っているか、全面禁煙にする等の企業の取り組みも 評価されます。WELL認証には空気、水、食物など、10のコンセプトがあり、その中の「光」については11の評価項目があります。今回、外光をしっかりと 採り入れる「光曝露」と「ビジュアル照明デザイン」の加点項目である「サーカディアン照明デザイン」に特に注力しました。まず、外光の利用ですが、自然光を積極的に採り入れるため、建物のファサードにガラスを多く使用。大きく開かれた窓面から自然光を採り入れて、ワーカーが光を感じることができるようにしました。 そして室内照明については、日の出とともに起床し、活動を始め、日の入りとともに休むといった、人の体内リズムである「サーカディアンリズム」に最も影響を 与え、WELL認証でも目安とされている「等価メラノピック照度」を遠藤照明さんに計算してもらい、最適化を行いました。「サーカディアンリズム」を整えている オフィスは他にもありますが、今回は執務空間である事務室だけでなく、ラウンジや廊下など全館で照明を自動制御したことが大きな特長です。新オフィスでは時間の感覚を取り戻すことができたことで、仕事のメリハリもついたとの声も頂戴しています。コロナ禍を経て、働き方の多様性がある中で、あえてオフィスに行 くということを意識して設計する必要があると考えています。限定的な空間ではなく、全館においてサーカディアンリズムを整える照明計画が実現できたのはお客様のご理解があったからこそ。これからもワーカーの方々に貢献できる光環境に取り組んでいきたいと考えています。