事務局
「くらしとあかり」第2回エキシビション、今日はシンポジウムということで、皆さん、お集まりいただきましてありがとうございます。本日は建築家の井上搖子さん、照明家の角舘政英さんをお迎えして、お話をしていただこうと思います。では井上さん、角館さん、この企画のプロデュースをしていただいてます真壁さん、よろしくお願いします。(拍手)
真壁
どうもこんばんは。第2回目の「くらしとあかり」エキシビションですが、今回はちょっと難解なプレゼンテーションになっております。いきなり場をご覧いただくというよりは、今回のテーマや種明かしをまず十分皆さんにお伝えして、その上でこの場の野心的試みを理解していただくという、そんな流れにしたいと思っております。
この設えは一つの、ワンルームの居室というイメージでございます。ここにあるのがキッチン、これがテーブル、それからソファとベッドということです。このように象徴的に家具がつくってあります。ここが玄関ということになります。そしてここのスペースと向こうの壁に投影されている映像は連動しています。この仕組みはまた後ほどゆっくり説明しますが、あの映像は同じプロポーションの3部屋が並んで映っています。
まずそういう構造的関連を理解していただいて、大きく二つある今日のテーマをご説明したいと思います。一つは人間の行為と連動するあかり。今この展示空間の中で点いたり消えたりしているあかりは、あの映像の中で動いている人に連動するよう、角舘さんがプログラミングしています。
前回の第1回エキシビションは「くらしとあかり」という場面を非常にミニマムに表現した、あかりをつけないであかりを感じさせるというインスタレーションでした。それは蓄光というものを使ったわけですけど、今回も非常にわずかなあかりで暮らす、あるいはあかりと人間がコラボレーションし合うというようなシーンをつくっています。
もう一つのテーマは集合住宅の中の暮らしの気配です。スクリーンに映っている3つの部屋は同じ屋根の下にあって、それぞれの人が暮らしている。集合住宅の中でこのあかりというものが暮らしの気配をどういうふうにつくっていくんだろう。部屋の中にも気配はありますし、建物のファサードとしても気配が生み出されてきます。そういう大きなテーマが二つ設定されています。
まず井上搖子さんから、今回の建築家としての最初のイメージや発想というのを説明していただけますか。