株式会社トクヤマ・チヨダジプサムは、建築の建て替え・取り壊しなどで排出される産 業廃棄物の廃石膏ボードを独自の再生・再資源化技術により、100％再利用可能に した国内最初の企業である。そのため、資源の再生・循環を担う企業であるという意 識を強く持ち、バイオマス熱源の利用、排水の出ないクローズドシステム、遊休設備 の再利用などにも積極的に取り組んできた。このような省資源化の一環として、今 回、東京五輪に向けての再開発、建て替え需要の増化に対応するために新たに開 設された関東工場においても、全照明にLEDを採用した。

■リサイクル処理時に発生する微細な粉塵にも万全の防塵性能を発揮するLED照明器具

関東工場の構内は、収集された廃石膏ボードを保管する倉庫部分と集められた廃石 膏ボードをリサイクル処理する機械設備部分に分かれている。倉庫部分に採用となっ たIP53 防塵高天井シーリングペンダントは、二次側を50m まで延長可能な電源別 置タイプ。分電盤付近に電源部分をまとめて設置できるため、メンテナンスも容易で ある。機械設備部分にはIP66 の防水・防塵高天井用ベースライトを配備。IP とは、 異物と水の侵入に対する保護を規格化したものでIEC（国際電気標準会議）が規 定する機器の保護等級を記号化したものである。IP66 は、第一特性（左側の数字） の固形物に対する保護等級では、粉塵が中に入らない最高位「6」の防塵性能を、 第二特性（右側の数字）の水の侵入に対する保護等級では、あらゆる方向からの 噴流水による有害な影響がない「6」の耐水性能を示している。これにより、廃石膏ボー ドのリサイクル時に発生する微細な粉塵に対しても万全な対策を講じることができた。