
アウトドアにおいてもLEDが当たり前となり、これまでの照明とは異なるLEDの特性等を踏まえたアウトドア照明のあり方が模索されています。
令和3年に改訂された「光害対策ガイドライン(環境省)」検討委員会の座長を務められました望月先生と、数々のアウトドア照明をデザインされておられる照明デザイナー:岡安泉様をお招きし、そのガイドラインを改めて学びつつ、LED時代のアウトドア照明について、考えました。
光害対策ガイドライン
ガイドライン概要より:本ガイドラインは、光害※を抑制し、屋外における良好な光環境※の形成を目的に、照明による人や動植物、夜空の明るさなどに及ぼす影響への配慮に関する指針や対策を示すとともに、照明に対する考え方・あり方を示すものである。
改訂の経緯より:平成18年度の光害対策ガイドライン改訂当時においては、LED照明は一般的には普及していなかったが、現在では広く普及しており、さらに、今後も従来の照明からLED照明への切替えが推進されていくものと考えられるため、これまでの照明とは異なるLED照明の特性等を踏まえた光害対策を進めていく必要がある。また、照明に関する学術的な国際機関であるCIE(国際照明委員会)による「屋外照明による障害光規制ガイド」の改訂版(CIE150:2017)が2017年に発行されるなど、国際的にも光害対策の取組が進んでいる。これらを踏まえ、光害の防止対策等について見直しを行い、今般、光害対策ガイドラインを改訂することとした。
※光害とは、良好な光環境の形成が、人工光の不適切あるいは配慮に欠けた使用や運用、漏れ光によって阻害されている状況、又はそれらによる悪影響のことである。
※良好な光環境とは、地域の社会的状況や生態系・夜空を含む自然環境特性を踏まえ、適切な照明により社会の安全性・効率性・快適性や良好な景観を確保しながら、省エネルギーの実現や自然環境への影響を最小化する十分な配慮がなされた光環境のことである。
Guest speaker

望月 悦子 Etsuko Mochizuki (千葉工業大学創造工学部建築学科 教授/博士(工学))
千葉工業大学工学部建築都市環境学科教授を経て、2016年より現職
照明学会総務理事、CIE国内委員会第三部会委員長
建築光環境に関する研究に従事。最近は,多様化するオフィスにおける変動照明・色光制御の可能性,光環境の共通認識に向けた描写・表現方法,窓・開口部に基づく不動産価値などについて研究。令和3年の光害対策ガイドライン改訂にかかわる。
http://www.cit-architecture.jp/index.html?page=lab.MochidukiEtsuko
岡安 泉 Izumi Okayasu (岡安泉照明設計事務所 代表)
1994:日本大学農獣医学部卒業後、生物系特定産業技術研究推進機構に勤務
2005:ismi design office 設立
2008:岡安泉照明設計事務所へ改称
主なプロジェクト:青木淳「白い教会」、伊東豊雄「generative order-伊東豊雄展」、隈研吾「浅草文化観光センター」、山本理顕「ナミックステクノコア」などの照明計画ならびにミラノサローネなどの展示会において多くのインスタレーションを手掛けている。
https://www.ismidesign.com/
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参加者の声
- 基礎知識として光害や障害光について勉強する事が出来た。
- 光害は「思った以上に自分たちに影響が出るものだ」と身近に感じることができました。企業も関心の高い健康・環境への配慮につながるような提案ができる内容でした。
- 岡安先生がおっしゃっていた、下向照明でも路面の反射光が拡散し光害に繋がる可能性があること、同じゾーンでも場所によって光害のエリア分けが必要ではという考えに同感です。
本オンラインイベントでご紹介しております事例集「アウトドア特集号」は以下よりご覧いただけます。