東京慈恵会医科大学附属病院 外来棟
- 医療・福祉施設
- 関東
目線を上げたくなる、心地よい陽だまりの空間
複数の鉄道沿線からアクセス可能な都心型病院の新外来棟建替計画。従来の閉鎖的な病院外来のイメージを一新し、オフィスや飲食店に囲まれた立地を活かした都市空間としての病院外来を実現した。 周囲の街路が建物内へと連続するように計画された吹抜け空間を採用し、照明デザインコンセプトを「Sunny Step」とした。6階のハイサイドライトから差し込む自然光と、吹抜け内に立体的に配した光膜照明が空間をつなぎ、各フロアに柔らかく降り注ぐ光環境を創出。外部から院内へ進むにつれて、素材や色調が徐々に変化するインテリアに呼応し、照明計画も場に応じて変化させている。 あえて不均一な光環境を作り出すことで、流動性のある空間と滞留性のある空間を生み出し、回遊性を高め、まるで街中を巡るような空間を構築。病院施設の共用部においては、不快な眩しさを抑えつつ、目線を上げることができる光環境を整えることで、患者やその家族、医療従事者の心を和らげることが重要だと考える。そのため、本施設では吹抜け空間にダウンライトを設置せず、心地よい見上げ空間を実現している。