遠藤照明

「くらしとあかり」プロジェクト

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「くらしとあかり」プロジェクト 第5回エキシビション 棚瀬純孝×中島龍興

イントロダクション

これまでのくらしとあかりの近代化の原則は、
あかりを隈なく、均質に、平滑に行き渡らせ、
暗部をなくし、くらしを機能的に、効率的にすることでした。

近代化とはこうした均質性と均質空間の追求でもありました。

一方、近代デザインの行き詰まりは、
人々が求める多様性と個別性に直面したときから始まります。
同時にそれは、「均質性」の限界でもありました。

現在、建築家が住宅に描くイメージの一つに、
「ぼんやりした場所感」「緩やかなつながり感」があります。

部屋単位で空間が区切られたり、
部屋の機能、用途が決められていたりする、
このような場の強い分節化や特定化から、
より自由にありたい、
と建築家は想っています。

今回の「くらしとあかり」エキシビションのテーマは、
家の中に暗がりをつくり出し、
家族の各々の居場所を緩く分節化する
「暗がりのカタチ」(シャドー・フォーム)を生むことです。

建築家にとっても、照明家にとっても、
暗がり、暗部、シャドーを全面的な主題として具体化することは、
憧れでもありました。

暗がりのカタチのデザインを体感して、ぼんやりとした場所感を感じて下さい。
これからの私たちのくらしとあかりの貴重なイメージを発見するはずです。


真壁智治(「くらしとあかり」プロジェクトプロデューサー)


 

棚瀬純孝

36台のピンスポが創りだす陰影の世界

複数のピンスポット光を駆使して、
光と影と闇を演出します。
ピンスポットのレンズによって切り取られた光は、
同時にはっきりした影を作ります。
影にいて光を見るには、もっとも効果的な器具です。
しかし、今までのピンスポットの使い方とは違って、
やわらかな陰影やこのように光と影をつなぎ合わせ、
重ねたりすることで、
新しいピンスポットの可能性が引き出せるものと考えます。

物体に付着する陰、空間に投げ出された影。
濃い影、薄い影。
闇のような深い影、透き通るように淡い影。

影があるから光が見えます。
影があるから形が見えます。
影があるから空間が認識できるのです。

闇に埋もれた陰影は全く見えません。
しかし時間が経つにつれ、見えてきます。
元来、人の目は暗闇を払拭する力があります。

微々たる光は光にあふれた世界で見ると陰影になります。
この陰影に様々な意味を込めることがあります。
そんな影に人々の心は動かされるのです。


中島龍興


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