<オンラインセミナー>これからのワークプレイスに求められる光のエビデンスとは?-遠藤照明の体験型オフィス『Synca U/X Lab(グッドデザイン賞受賞)』より 画像

働く人の生産性やエンゲージメントを高める、仕事の内容・場所・時間に応じた光環境とは?
オープンから1年を迎えようとしている遠藤照明の体験型オフィス『Synca U/X Lab』で得られたエビデンスをはじめ、「これからのワークプレイスに欠かせない、光のエビデンスについて」解説させていただきました。

  • 生産性を上げる光とは?
  • 集中する光とは?
  • コミュニケーションを促す光とは?
  • 人の心地良さとエネルギーを両立する光とは?

遠藤照明の体験型オフィス『Synca U/X Lab』グッドデザイン賞受賞

■2022 年度 グッドデザイン賞 <審査委員の評価>
摩天楼の誕生以来、近現代建築を成立させてきた必須アイテムである人工照明。これまでは、照度をメインに機能からデザインされてきたが、今後は人間の経験をベースにこれまでとは少し異なる方向にデザインされていくことになる予感がしている。このプロジェクトは、そうした新しい時代の照明の在り方を捉えた、照明メーカーのショールーム兼オフィス、プラスラボ的機能を持たせた施設のデザインで、その方向付けの明確さが評価された。 担当審査委員|原田真宏、成瀬友梨、山梨知彦、吉田愛 
https://www.g-mark.org/award/describe/54163?token=4CkwiFPLQ3

見逃し配信



参加者の声

  • ワーカーのモチベーションやWellbeingが、光環境に直結していることが、様々な実績を踏まえて説明頂き、とてもためになりました。
  • 色温度の変化による効果のエビデンスを基にした説明で、 抽象的な話になりがちな事柄が良く理解できました。
  • 光の色温度による違いがもらたす集中力やリラックス、睡眠に影響を及ぼす事などが勉強になりました。
  • バイオフィリックデザインに照明が果たす役割については盲点でした。


イベントレポート

事務局「本日は、「これからのワークプレイスに求められる光のエビデンスとは?」と題しまして、オープンから1年を迎えようとしている遠藤照明の体験型オフィスSynca U/X Labで得られた光のエビデンスをご説明してまいります。」

SyncaUXLab_概要説明

Synca U/X Lab

「おかげ様でSynca U/X Labは、2022年のグッドデザイン賞を受賞させていただきました。ありがとうございます。審査員の方のご評価として、「新しい時代の照明の在り方を捉えた、その方向付けの明確さ。つまり、これまでは照度をメインに機能からデザインされてきたが、今後は人間の経験をベースにこれまでとは少し異なる方向にデザインされていくことになる予感がしている。」というコメントを頂戴しました。まさしく本日ご説明させていただく光の考え方をご評価いただけた点が、私どもとしても非常に嬉しい受賞でございました。このSynca U/X Lab、本日こうやって伝えさせていただくんですけれども、もう1つ是非お伝えしたいこととしては、この施設、できたばかりの綺麗な施設ですということではなく、先にも申し上げましたとおり、オープンから1年を迎えようとしております。つまり、この1年の間でエビデンスに基づいた光の下で、実際に働いた社員の評価検証結果や、1年が経過した植栽の成長度合いなども、本日はしっかりとお伝えさせていただきたいと考えております。まず、この体験型オフィス、Synca U/X Labのイメージムービーを上映させていただくことから本日のオンラインセミナー、始めてまいりたいと思います。」

Synca U/X Lab ご紹介動画



『新しい光の体感』×『エビデンスドベースドデザイン』×『さまざまなオフィスの環境の要素』―感動、快適さ、使いやすさ、体験(User Experience)を追求し発信するライブオフィス―

SyncaUXLab_概要説明

今「オフィス」に求められていること

林「まず1つ目に、ABW(アクティビティ・ベースト・ワーキング)。仕事内容に合わせて働く場所や時間などを選ぶ働き方のことです。例えば、集中作業は静かな部屋で、ミーティングはリラックスして意見交換できる部屋でなど、フレキシブルに場所を選んで働くことを目指しています。2つ目に、WELL Beingとして健康経営オフィスやWELL認証、人々の豊かな生活や状態を表す概念です。より良い社会を築くための指標として近年重視されており、WELL Beingを高めるために建物の中で自然を感じられる環境を再現する取り組みとして、バイオフィリップデザインを取り入れたり、植物だけでなく光や音や香り、水など様々な工夫を用いた設計がされています。最後に、持続可能な開発目標(SDGs)。省エネとして、高効率LED照明や制御をはじめとするエネルギー効率の改善を行いながら、快適・やすらぎ・健康・安心・安全など、人と地球にやさしい光の価値を創造し、目標達成に貢献します。」

SyncaUXLab_概要説明

「Syncaの光で最適な色温度や照度を設定しています。オフィスが社員の生産性やエンゲージメントを高める場所となるように、仕事の内容、場所、時間に応じた光環境を追求しています。遠藤照明は「Synca」という新しい光を基軸として、これからの新しいワークプレイスを創造していきます。」


SyncaUXLab_概要説明

フロアマップでみるSynca U/X Lab

「エレベータを降りまして廊下を通って、こちらがアウトドアリラックスゾーン。こちらの方に抜けましてテラスゾーン、この紫色の部分がオンラインミーティングブース、水色のエリアがコワーキングゾーン、廊下を通って超集中ゾーン、この水色の部分がコワーキングゾーン2と呼んでいます。最後の8番目がグレートゾーン。それぞれのゾーンについて、詳細のご説明をさせていただきます。」

SyncaUXLab_概要説明

エントランス

「執務エリアと、シークエンスを考慮したインテリアと光環境により、均質な廊下が期待感や気持ちを切り替える効果を与える空間に変わります。」

SyncaUXLab_概要説明

アウトドアリラックスゾーン

「バイオフィリックデザインの考えを取り入れまして、さらに自然光の演出にこだわった先進的なリラックスゾーンです。自然光のような光・緑・香り・音で作られた、健やかな体内リズムを整えるための空間としています。屋内にいながら、リフレッシュや休息のための自然へのアクセスを可能にします。」

SyncaUXLab_概要説明

テラスゾーン

「アウトドアリラックスとコワーキング(屋内)を繋げる、気持ちの切り替えを促すための中継地、集積地となる空間になっています。両サイドから漏れるSyncaによる自然で情緒的な光が、カフェのようにコミュニケーションを生み出して、ディスカッションを促進する空間を創出しています。」

SyncaUXLab_概要説明

オンラインミーティングブース

「集中してWeb面談ができるほか、大事な商談や面談で成果をあげるための様々な工夫を取り入れています。」

SyncaUXLab_概要説明

コワーキングゾーン1

「長時間利用する基本のワークスペースとなっています。快適、健康、省エネの3つのバランスを考慮した新しいタスク&アンビエント照明をこちらでご提案しています。WELL Beingにおいて重要な体内リズムに考慮した光のコントロールと個別制御によって覚醒や集中、リラックスを促して社員の健康とエネルギーの効率化を両立しています。研究では日中の高色温度、高照度の暴露が生体リズムに影響を与えることが分かっています。Syncaの12000Kの光は体内リズムを整える、等価メラノピック照度を確保できます。こちらでは、そのSyncaを利用した新しいシステム天井用の照明をご提案して、健康やパーソナライズにこだわった新しいタスク&アンビエントをご提案しています。」

SyncaUXLab_概要説明

廊下

「ウェルネスを高める癒しや、五感を刺激する感性廊下を試みています。」

SyncaUXLab_概要説明

超集中ゾーン

「特に生産性や効率を高めたい時に利用するブースです。エビデンスに基づいた集中のための光と個々のストレス軽減のための光。これらが考慮され、かつ両立できていることが特徴になっています。大学と遠藤照明の共同研究によると、アンビエント照明の色温度が覚醒度や集中力に影響を与えることが分かっています。」

SyncaUXLab_概要説明

コワーキングゾーン2

「近年デザインニーズの高いスケルトン天井におけるデザイン性と快適性の高いオフィスの光環境を追求しています。内装と光のABWによってコワークやアイデア創出、コミュニケーションをこちらで促しています。」

SyncaUXLab_概要説明

グレートゾーン(会議室)

「大事なお客様をお迎えしたり役員会議やプレゼンテーションなど、目的によって雰囲気を変えることが可能です。アイデアを発散させたり、意見を収束させたり、情報を共有したり、一つの空間でも用途が変わります。ミーティングの成果を出すために、調光調色・カラー・制御機器を駆使した新しい可能性をご提案しています。」


Synca U/X Labの光のエビデンスについて

事務局「本日の本題でありますSynca U/X Labの照明計画で光のエビデンス。そしてその検証結果について、ご説明をさせていただきます。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「Synca U/X Labの照明計画が、どのようなエビデンスで構築されているか、裏付けがあってあのようなデザインになったかというその辺の説明と、運用して1年経ちましたけれども、どういう効果があったのかというような検証のご報告というものをさせていただきます。先ほど林から説明があった8つのブースの内、1から5までの5つの部屋を対象とさせていただきます。
①超集中フォーカスゾーン
②感性廊下
③オンラインミーティングブース
④コワーキングゾーン2
⑤アウトドアリラックスゾーン
・コワーキングゾーン1


                  

①超集中フォーカスゾーン

SyncaUXLab_エビデンス

【照明計画】

林「こちらのブースでは、集中して仕事を進めたい時、籠って作業を行えるゾーンになっています。照明計画としては、アッパーのペンダントを使いましてやわらかい光で全体を包み込むような光をとっております。個々のデスクごとに色温度を変えられるタスクライトを計画しました。空間全体の色温度は12000K。机上面の照度設定は500lx、タスクの基本照度、色温度は3500Kとしております。」

SyncaUXLab_エビデンス

【エビデンス】集中する光

鈴木「先ほど林からも紹介があったように、大学と弊社との共同研究によって得られた成果を基に、このような計画が成り立っております。それは何かと言いますと、人間の集中度を上げる、もしくは覚醒する作用は、アンビエントライト、天井からの光がすごく効果的だということが実験で分かりました。実験ではタスク&アンビエントでタスクライトの色温度は固定でアンビエント照明を変えた時に、どれくらい集中力が変わるかというような実験をしたんですけれども、アンビエント光、タスクライトの色によらずアンビエント光の色が変わることによって集中力が上がる、覚醒度が上がるということが分かりました。
これは、ミスを計る、集中力を計るテストをやった結果ですけども、4500Kと比べて12000Kの方がミスが約半分に減ったということが実験で明らかになっています。そういった実験結果を基に色温度を12000Kにしたという事になっております。これも実験の中では、タスクライトを12000Kにしてアンビエント光を5000Kにして、目線に入る自然方向の色温度を混ぜて同じ8500K程度になるんですけども、やった場合でも12000Kのアンビエント光の方が効いているというような傾向も見えておりますので、どちらかというと自然方向というよりも、視界から入ってくる色温度の方が影響を受けるということで、このようなアンビエント間接照明で12000Kという計画になっています。また、タスク照明、色温度をコントロールというふうに林から説明がありましたけども、これもちょっと別のエビデンスになるんですけども、執務室の満足度を上げるためには自分で好きな光環境をコントロールできる、選択肢があるということが非常に大事になっておりますので、そういったことも踏まえまして色温度を変更可能なタスクライトを使用してるということで先ほどのような照明計画になっております。」

SyncaUXLab_エビデンス

アンケート結果

鈴木「入居半年後、実際アンケートをしてみると、ほとんどの人が集中できるという回答をいただいています。また、集中ブースの場合は、集中することが目的なので、コミュニケーションが取りにくいという回答が多く得られています。目的通りの空間の機能を得られてるんではないかと感じております。また、アンケートを取った社員の生の声として、青字で書かれているものがポジティブ評価で、赤字で書いてるものがネガティブ評価になっています。ポジティブ評価でいきますと、こちらの狙ったとおり集中しやすいというような回答を多くいただいてます。また、ネガティブ評価では使い方に対する不満であるとか、あとは12000Kっていうところの影響をあまり感じにくい方も中にはいらっしゃるので、必要性を感じないという回答もありますから、概ね目的どおりと言えると考えています。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「実際1800K、5000K、12000Kという3つの色温度の条件で、それぞれ1週間ずつ社員が被験者になりまして、その集中ブースで仕事をした時の作業成績とウエアラブルデバイスを装着して心拍数を計った時の結果になっていますけれども、左側のグラフは作業の成績です。これは自己申告なんですけれども、予定していたタスクがそれぞれの光環境下でどれぐらい達成できてるかという回答になっています。これも色温度が高くなるほど他の1800K、5000Kに比べると12000Kの方が作業成績が良いという結果になっています。また、右側のほうが心拍数を測定したものですけども、これはハートレート、心拍間隔の長い短いを計測してるんですけども、一般的に心拍の間隔が短いと比較的覚醒度が上がってると捉えることができますので、こちらも色温度が上がることによって、心拍数の間隔が短くなってるということで右肩下がりになっていますので、自己申告だけではなく体もそのように反応してるというのが実験で明らかになってるということです。なので、この集中ブースは狙いどおり機能してるんじゃないかと考えております。」


                  

②感性廊下

SyncaUXLab_エビデンス

【照明計画】

林「会議室からトイレや給湯室、ロッカーに向かう廊下空間になります。執務の合間ですとか、仕事を始める時、就業後、何気に歩いて行く途中に少し頭を切り替えられるような照明計画を考えました。照明計画としましては、リニア17という弊社の幅17㎜の間接照明、ライン照明だけで計画しております。」

SyncaUXLab_エビデンス

林「照明の設定については、始業時から午前中は快活な雰囲気を感じられる光として6500K。昼休みは少し気分転換ができるような光としてマゼンダ。午後は外の外光に合わせた5000Kを選択してまして、夕方になると徐々に色温度、明るさをぐっと落としまして、終業時間に近づきを感じられるような3000Kなど、タイムスケジュールを組んで運用しております。」

SyncaUXLab_エビデンス

【エビデンス】リラックス効果のある低照度の光

鈴木「廊下の計画の裏付けとなるエビデンスなんですけども、まずポイントとしましては照度は落としてるということが得られます。一般的に廊下というのは執務室に比べると低めの照度の設定をしていると思うんですけども、この感性廊下では更に照度を落として、60lxでやってるということにしてます。この照度を下げるということはどういうことにつながるかと言いますと、照度を下げるだけで副交感神経、リラックスモードになるわけです。そうすることによって、気持ちの切り替えがしやすくなると。それが照度を下れば下げる程リラックス効果も上がってきますので、今回実の基準といえば150lxとかっていうふうになってますけども、自社ビルということもありまして、極力安全に歩ける範囲で照度を下げてるという設定にしています。感性廊下という名前のとおり、気分の切り替えをする機能になっています。林からも説明があったとおり、気分の切り替え、自分の席から次の空間に移動する時の気分の切り替え効果を更に強くするために、色温度の変化だけではなく、右側の図のようなカラーライティングによる演出で非日常空間を作ることによって、より気持ちの切り替えができるんではないかと考えています。最近、オフィスのデザインの建築学会とかで割と話題になってるのが、いかに集中力を持続させるかというテーマにおいて、リラックスをどうさせるかっていうのが集中力持続に繋がるというようなテーマで研究発表されていることがあります。既往研究では、廊下に玉砂利を敷いてリラックス効果とかストレスを軽減するという研究論文もありまして、そういった物理的なものではなく、照明であればいろいろ可変できますので、その時々に応じた照明環境を与えることで、その時に応じたストレス軽減ができるのではないかと考えて、まだこれについてはこれによるストレスの軽減効果というのはまだ測れていませんが、既往研究を基にしてこういった仕組みを取り入れました。」

SyncaUXLab_エビデンス

アンケート結果

鈴木「これはその時のアンケートです。これも快適と不快、あとはリフレッシュできる、できないというアンケートを取っています。上は快適、不快というアンケートですけれども、大多数が快適という回答を得ています。下のグラフのリフレッシュできるというのも、半数以上がリフレッシュできてるという回答を得ています。また、右側には生の声が入ってますけども、60lxという照度でいうと低めの空間ですけども、明るすぎずちょうど良いとか、気持ちの切り替えになるとか、そういった狙いどおりの効果もありますが、ネガティブ評価としても、もっとカラーをして欲しいとか照明器具自体のハード的な要望であるとかいろいろありますけども、照明器具の狙いとしては狙い通り上手くいってるんじゃないかと言えます。」


                  

③オンラインミーティングブース

SyncaUXLab_エビデンス

【照明計画】

林「集中してミーティングができるように、あとは大事な商談とか面談で成果が上げられると良いなということで照明計画を行いました。通常このような個室ですと、ダウンライトが1、2灯あれば十分な環境だと思うんですけれども、こちらのU/X Labのオンラインミーティングブースでは、ダウンライトと間接照明を組み合わせることによって、顔の艶感ですとか立体感を表現して印象が良くなるように計画しています。照度の設定としては、顔の高さの水辺面で1100lxにして前からの光を鉛直面で計ると660lxぐらいの設定とさせていただいています。」


SyncaUXLab_エビデンス

【エビデンス】表情が伝わりやすい照度のバランス

鈴木「今回ダウンライトと間接照明を併用しています。従来のミーティングブースは、結構ダウンライトで計画されることが多いんじゃないかと思うんですが、そうすると影が結構きつくなってしまうんです。やっぱり見た目の印象ってすごく大事で、特に顔の造形は人それぞれ個性があってそれはそれで良いんですけど、モデリング、陰影の付き方というのは非常に表情のできかたに強く影響します。ですので、そこのバランスをすごく上手にコントロールするということが大事です。こちらはヨーロッパの比較になるんですけども、ちょうど良い照度のバランスというのは基準があります。こちらのマネキンの写真が4枚ありますけれども、左上から0.1、右上が0.3、左下が0.6、右下が1.0となっています。これは何の数字かといいますと、水平面照度と鉛直面照度の照度の比になります。分母が水平面照度で分子が鉛直面照度になります。ですので、見方としては左上の0.1というのは鉛直面よりも水平面が明るい。ですからダウンライトみたいに上からだけの光ということができますし、右下の1.0の場合は水平面照度と鉛直面照度、前からの光と上からの光の照度が大体同じということで、そうすると結構陰影は柔らかくなるんですけど、今度陰影が無くなり過ぎて平たく見えてしまうっていうような見え方になります。ヨーロッパの基準では、0.3から0.6の間が推奨されています。SyncaU/X Labのオンラインミーティングブースでは、先ほど林の方から説明があったように、水平面照度が1100lx、鉛直面が660lxですから、およそ2:1ですから0.5のバランスになっているということで、実際お越しいただいて体感いただいている方は、非常に顔の影の見え方に納得いただいているというご評価をいただいてます。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「一般的に鏡を見るであるとか、自分の顔を見るであるとか、そういった物を見る時には演色性が非常に影響してきます。特に赤色をしっかり見せると、肌艶がすごく綺麗に見えますので、高演色でかつ赤色が映えるような演色性の高い光源を使うというのが大事かと言えます。今回、SyncaU/X Labが全面的にSyncaという高演色で調光調色ができる光源を使っておりますので、そういったものもしっかりサポートできるというかたちになっています。」

SyncaUXLab_エビデンス

アンケート結果

鈴木「上の方の集中できる、できないというところでは、こちらも半数以上の人が集中できるという回答になっております。下の方は、オンラインミーティングの相手とのコミュニケーションについてのコミュニケーションの取りやすさになっていますが、こちらも半数以上、大体の人がコミュニケーションを取りやすいという回答をいただいています。右側に生の声がありますけれども、大体ポジティブ評価にしてもネガティブ評価にしても、空間に対する評価が多くありました。実際体感していただくとその照明のモデリングの効果というものを体感できてるんじゃないかと考えております。」


                  

④コワーキングスペース2

SyncaUXLab_エビデンス

【照明計画】

林「最近ではデザインニーズが高いスケルトン天井を採用するオフィスが増えていると思います。スケルトン天井のオフィスの照明計画の回としましては、いろいろあるのですが、今回こちらのSyncaU/X Labでは、ライン照明とスポットライトを組み合わせて計画させていただきました。」

SyncaUXLab_エビデンス

林「ライン照明を用いて空間の均斉度を計りながら、スポットライトでテーブル面の明るさを確保しています。時間の経過とともにライン照明とスポットライトの照度や色温度を変化させていきます。朝や日中は全体の光を白色で取っておりまして、机上面を700lx取りながら通路も700lxといったかたちで、活発にできるような照明空間というふうにしています。」

SyncaUXLab_エビデンス

林「夕方からは電球色の光で、テーブル面が700lx取りながら通路は150lxといったふうに、雰囲気を出しましてリラックスできるような空間作りをしています。このように、全体の光とテーブル面の光のバランスを変化させまして、外光との光の変化に合わせて色温度や照度を徐々に上げたり下げたりしていっております。実際こちらのスペースでは、朝・昼・晩にこのようなシーンを登録しまして、1日の流れを運用しております。」

SyncaUXLab_エビデンス

【エビデンス】健康をサポートする光

鈴木「コワーキングスペース1とコワーキングスペース2と大体共通している話なんですけども、ここで大事なのはフォーカスゾーンでもお話した青色光、高色温度の光というのが非常に効いてきます。健康をどう照明によってサポートするかというのが1つポイントになるんですが、それを下支えする1つの目安として透過メラノピック照度というものがあります。
こちらはWELL認証で掲げられている評価項目の1つ、サーカディアン照明の中でという評価項目がありまして、その中で1つの目安として上げられている指標です。下の方に緑と青の曲線が書かれているグラフがあると思います。緑の方は私たちが照度を算出する時に感じる、人が明るさを感じる感度なんです。私たちはこういう感度を持ってるんですけど、メラノピック照度っていうのはこの青色で書かれた感度に反応する感度で覚醒すると研究では明らかになっています。この青色の線が感じる光の量をメラノピック照度と言っています。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「これを使うとどういう事が分かるかでいいますと、色温度によって効率良くメラノピック照度が取れる目安が分かるということです。こちらの図は1800K、5000K、12000Kを同じ透過メラノピック照度を取ろうと思った場合、どれくらい照度が必要かというものを図示したものです。真ん中の5000Kで1000lxというのを基準にした時に、1800Kでは4000lx取らないと5000K・1000lxと同じ透過メラノピック照度を得ることができません。12000Kだと750lxで同じ透過メラノピック照度を得ることができるということで、色温度を上げることによって効率的に透過メラノピック照度、その覚醒を促したりとか生体リズムをサポートするような照度を得ることができるということがひとつ目安として分かる訳です。このSynca U/X Labでは、そういった透過メラノピック照度にも気を使いながら照明計画をしております。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「透過メラノピック照度をたくさん浴びると、どういう良いことがあるかといいますと、メラトニン分泌が増えます。メラトニンっていうホルモンは何かと単純に言うと、眠りをいざなうホルモン。睡眠ホルモンと言われたりしますけど、大量に青色光を含む光を浴びることによって、しっかりと覚醒を促すことができ、その分夜に睡眠ホルモンがドバドバ分泌されて眠りやすくなるというようなことが挙げられます。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「夕方電球色にするという説明がありましたけども、これも眠りにつく前、高色温度のものを浴びるとメラトニンの分泌が抑制されるというのが、スマホなんかが寝る前に見ると眠り辛くなるというのは皆さん一度は耳にしたことがあるかと思いますけども、こちらの既往研究でも書かれているように、同じ100lxでも5000Kと1800Kでは、1800Kの方がメラトニンの分泌が抑制されにくくて眠りにつきやすいということで、色温度を夕方以降は下げるということが非常に大事になってきます。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「どのタイミングで青色光を浴びるかというのも非常に大事になっています。先ほど夕方、色温度を下げるというのもありますけども、青色光をできるだけ日中しっかりと浴びることがお勧めです。こちらの図は何かといいますと、日中しっかりと覚醒する光、青色光を多く含む光を浴びると、夜寝る前ちょっとメラトニン分泌を阻害するような刺激を受けても、メラトニン分泌が阻害されにくいという実験結果になってます。この三角で水平に波線が書かれてるものが、9000Kで実験した時の結果なんですけども、それ以外の5000Kとかもうちょっと色温度を下げた暗い条件というのは、いずれもやはり刺激を受けるとメラトニン分泌が抑制されてしまうという結果が得られています。ですので、日中高色温度で高照度の光をしっかり浴びるということが、睡眠をサポートするという側面では非常に大事になってきます。ということを踏まえて、サーカディアン照明が計画されています。」

SyncaUXLab_エビデンス

アンケート結果

鈴木「こちらも半年後の評価を取っておりまして、こちらはまずは使い勝手というところなんですけども、集中できる、できないというところと、コミュニケーション取りやすいというようなものも、高評価になっております。右側には生の声を掲載しておりますけれども、一番声として多いのは、スケジュール運転、サーカディア照明しておりますので、照明の見地でいうと時間の感覚が分かりやすいというような声であったりとか、夕方スポットライトのみのシーンで集中できるとかいうような声もあります。あとはポジティブ評価としては、照度が下がるので疲労感を感じにくいと。過剰な明るさを避けてますので疲労感を感じにくいというような声もあります。ネガティブ評価でいいますと、照明でいえばスポットライトが点くことによって明るい暗いのメリハリが強くなりますので、眩しいというような声もありますが、概ね評価についてはポジティブ評価という結果を得ています。」

SyncaUXLab_エビデンス

実証実験

鈴木「こちらの方は先ほどのフォーカスゾーンと同じように、実証実験はしております。こちらも1800K、5000K、12000Kの3種類の色温度を、日中セットして、夕方になったら色温度を下げるんですけども、それぞれ12、3人ぐらいだと思うんですけども、被験者に協力いただいて実験しました。この実験はどれくらい睡眠の質が変わるかというような実験をしております。」

SyncaUXLab_エビデンス

実証実験 結果

鈴木「3つ棒グラフがありますけれども、左から1800K、5000K、12000Kの色温度の違いになってます。棒グラフが積みあがってますけども、色が濃い部分がノンレム睡眠という深い睡眠で、淡い青がレム睡眠という浅い睡眠になってます。平日の実験ですので、睡眠時間そのものはそんなに大きく増えてはいないんですけど、この色が濃いノンレム睡眠の所を注目いただきたいんですけども、全体の睡眠時間はそれ程大きく変わっていませんけれども、ノンレム睡眠の深い睡眠というのが増加しているというのが分かります。ですから同じ睡眠時間なんですけども、より深く眠れてるというものがこの実験で分かっています。これは既往研究でも言われてることなんですけども、実際、実験室ではなくてこういった日常的に使う空間でやっても、同様の効果が見られたというのが1つ成果としてあります。
あともう1つ、右側のグラフは目覚めた時のすっきり度です。眠気についてのアンケートを取ったものです。こちらも左から1800K、5000K、12000Kというふうに並んでますけども、色温度が高くなるほど寝起きの目覚めてる度合いが増えてる、はっきりと目覚めてるというような回答が増えてると。逆に眠いと感じてる人が段々減ってるという傾向が見えます。ですから、しっかり眠れた分すっきり目覚められるという傾向が今回の実験で示されました。皆さん、「サーカディアン照明って何が良いんだろう?」、「考え方は分かるけど本当に効果がないの?」っていうふうに疑いの目で見られてる方、結構いらっしゃると思うんですけど、しっかりと計画をすることによってそういった効果も範囲の中で再現化できるんじゃないかと考えております。」


                  

⑤アウトドアリラックスゾーン

SyncaUXLab_エビデンス

【照明計画】

林「バイオフィリックデザインに加えまして、更に自然光の再現にこだわったゾーンになります。オフィスの中にいながら屋外にいるような光、緑、香り、音を取り入れまして、健やかな生活リズムを整えることを目指しました。照明計画としましては、システム天井にも取り付けられる外光が降り注いでいるような天窓照明とスポットライトを配置しまして、ベンチ下とか壁面のウォール下には植栽の間接照明を入れておりまして、植栽の中にはスポットライトを入れております。色温度や明るさだけでなく、時間の経過と共に光の重心を上から下へ下へと一緒に変えていくことによって、より屋外にいるような自然の雰囲気を感じられるようにしています。今ご覧いただいている写真は、午前のシーンになります。色温度は10000Kで照度は大体2000lxの設定としております。」

SyncaUXLab_エビデンス

林「昼は色温度が5000Kで照度は1500lxの設定になっております。」

SyncaUXLab_エビデンス

林「夕方。こちらは色温度3000Kで照度が400lxです。」

SyncaUXLab_エビデンス

林「次は夕暮れのシーンで、色温度が2700Kから3000K、照度が250lxになっています。」

SyncaUXLab_エビデンス

林「夜のシーンになりまして、足元の光が点灯してるんですけれども、色温度が2000Kから2700Kの設定にしておりまして、照度は10から20lxといったようなかたちで、1日の時間の流れとともに照明のシーンを運用しております。」

SyncaUXLab_エビデンス

【エビデンス】植物を育成する光

鈴木「夜間、植物育成の光ということで、シーンを作っています。どんなシーンかといいますと、Syncaは1800Kから12000Kにやってる他に、ペールトーンのカラーライティングができます。そのペールトーンの赤と青を混ぜています。なぜ赤と青かというところなんですけども、葉っぱが何で緑なのかっていうのを考えると、その理由が何となく皆さんがご理解できるんじゃないかと思います。私たちが物を見るというのは、光が物に反射したもの、反射した光が目に届いて色を認識しています。葉っぱが緑ということは、緑色の光が反射している訳で、それ以外は吸収されてるんです。ということは、赤や青は葉っぱの中に吸収されてるから緑に見えていると。だから緑とと青の光が育成にも適してるということなんです。このバイオフィリックデザインを取り入れてるオフィスというのは、非常に今増えていると思いますし、最近私どもにも非常に多くのお問合せをいただいております。やはりインテリアに生木を使って上手く枯らさないようにしたいというようなご要望があります。私どもは、1年かかってますけども、メンテナンスの業者様には非常に育成状態が良いという評価をいただいております。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「厳密に言いますと、植物ごとによって必要な照度は違います。ただ、ある程度2000lx程度あれば大体の植物は、そんなに大きい植物は入りませんから大体2000lxあれば大丈夫です。特に傾向としては、背が高い木になればなるほど高照度が必要になるという傾向があるんですけど、大体インテリアであればそんなに高い高木は入りませんので、大体2000lxぐらいで良いんじゃないかと考えています。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「色温度の話になるんですけども、理屈でいえば赤と青が適してるんですけども、じゃあどの程度浴びたら良いかというような実験をしております。これはエバーフレッシュを使って実験をしています。これは左側、一番上の所にタイムスケジュールがありますげれども、19時、夜7時から朝の7時までの間に、消灯の時間とカラーライティングする時間を設けてます。7時から夜の7時までは、5000Kで1000lxで12時間はどの条件も一定になってます。6月8日から8月5日の約2ヶ月程度照射したものになっています。上から、赤と青を混ぜて2時間。赤1時間、青1時間というふうに交互に照射した条件。真ん中が3時間、青1.5、赤1.5。この時の青は12000Kにしています。一番下が2時間、2時間で計4時間というような条件でやっております。結果、今回のエバーフレッシュにおいては1時間半、1時間半の計3時間光を浴びるというのが、一番育成状態としては良い状態になっていたということです。
基本的に植物は、光を浴びれば浴びるほど育成はするものなんですけど、浴びすぎるとまたちょっと良くない傾向があったりします。今回の一番下の2時間、2時間の条件の場合は、非常に伸びてはいるんですけど、日中葉が閉じちゃうんです。ということは、昼と夜を勘違いしてるってことだと言えるわけです。元々観葉植物っていうのは、見ることが目的ですので、日中閉じられてると見た目的にあまり良くないということで、今回の実験の中ではエバーフレッシュは1.5時間、1.5時間混ぜてやるっていうのが、育成に適してるんじゃないかということで結果を得ています。これは実際、今回エバーフレッシュであったんですけど、SyncaU/X Labでも同じような条件でやっていてしっかりと育成されているので、ある程度の範囲の中で効果があるんじゃないかと思います。厳密に言うと、1個1個植物によって違うんですけれども、そういうわけにはいかないので、一応目安としてそういった使い方をすると上手く育成、ちゃんと元気に育つような状態が維持できるということが、今回の実験で傾向が見えております。」

SyncaUXLab_エビデンス

アンケート結果

鈴木「こちらは執務スペースでありながら休憩スペースなんですけども、こちらもコミュニケーション取りやすい、あとはリラックスできる、できないというようなアンケートを取っております。こちらは、どちらも評価としてはポジティブな評価が多いです。右側の生の声についても、非常にポジティブな評価をいただいていますが、ネガティブ評価としては家具であったり夜間の照明のシーンが、やはり非常に落としてますので、その時間まで働いてるなっていう話もあるんですけど、暗くて使いづらいというような声も上がってますが、日中のメインの活動時間においては非常に評価が高い空間になっています。」

SyncaUXLab_エビデンス

鈴木「バイオフィリックデザインのアウトドアリラックスゾーンがリラックス効果があるのかっていうような実験もしました。こちらは、疲労感とリラックスできたかどうかというのと、あとは心拍数を計ったんですけども、残念ながら一番右の心拍数については顕著な違いは出ませんでした。リラックスできるかどうかっていうのは、自分の席とアウトドアリラックスゾーンで、それぞれ5分間休憩した時にどれくらい疲労感が取れるかとかリラックスできたかっていうのを確認した実験なんですけども、5分間程度の休憩でも疲れにくさ、疲れの感じにくさが13%上がったりとか、5分間の休憩でリラックスできたかどうかというのも、自席といいますか、アウトドアリラックスゾーンで休憩するよりも、アウトドアリラックスゾーンで休憩したほうがよりリラックス効果が高いという申告が非常に多かったということで、一般的にバイオフィリックデザインって、リラックスできるとか生産性が上がるとかって言われてますけども、それも実験でちゃんとトレースができてるということで、非常に効果が出てるんじゃないかと思います。」


                  

コワーキングブース1

                 
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【照明計画】

林「こちらのスペースでは、アンビエント照明とタスク照明を天井面から取っているような計画となっています。テーブル面と垂直に並んでいるライン照明が拡散光になっておりまして、全体に照度を取るアンビエントの役割を担っています。テーブル面と水平に並んでいるライン照明はタスク配光になっておりまして、テーブル面の照度を確保するタスク照明の役割を担っています。こちらの計画では、両方点灯させて机上面750lxを確保しているようなかたちになっています。コロナ禍で在宅勤務など働き方が多様になりまして、それが定着してきたここ数年で、人がいたりいなかったりすると思うんですけれども、一様に照度を確保する必要がなくなってきたというきらいがあると思います。そこで、こちらのスペースでは、人感センサーで人の在、不在を検知しまして、人がいる場合にテーブル面の上にあるライン照明の照度が上がるような仕組みを導入しまして、省エネに繋げていっております。」

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【エビデンス】照度と色温度の関係

鈴木「こちらでもお伝えしたいのは、タスク&アンビエント照明における省エネ効果と、その照度の下げ方についてご説明させていただきたいと思います。この高色温度の所では高照度で、低色温度のところでは低照度というふうにしております。」

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鈴木「これは単純にいたずらに照度を下げたわけではなく、照度と色温度には相性があるということで、これはすごく昔からあるクルーゾフカーブです。これ横軸が色温度で縦軸が照度で示されておりまして、この白い範囲が快適な範囲とされております。ですから、スケジュールによって同じ色温度、白色色温度固定で照度を下げてしまうというのは、設定の仕方によっては不快なエリアに入ってしまいますので、そういったことがないように照度を下げる時には色温度もセットに下げることによって、快適を維持しながら照度を下げることによって省エネも図れるというようなことが言えます。」

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鈴木「また、色温度を切り替えるタイミングについてです。こちらは位相反応曲線という研究で明らかになってる曲線なんですけども、どのタイミングで強い光を浴びると睡眠が前進するのか、後退するのかみたいなものが示された図になっています。青く塗られている部分というのは、午前4時が真ん中に引かれてますけど、ここが基準になっています。ですので、この青く塗られているものは午前4時から、大体PM4時ぐらいまでの範囲を示していますけども、そこが睡眠時間が前進する時間帯なんです。ですから、朝起きて朝日を浴びるとか強い光を浴びるっていうのは、体内時計をリセットさせる。夜更かししても、朝早い時間に強い光を浴びることによって体内時計をリセットさせる効果があるから、そういうふうに言われているわけです。一方で、赤く塗られている所。大体3時4時ぐらいからなんですけども、そこから今度は強い光を浴びてしまうと、逆に眠りにくくなってしまうと。強い光を浴びると眠りにくくなってしまうということで、なるべく覚醒を促さないような色温度にしてあげることが大事です。ということで、私どものサーカディアン照明では4時を1つの基準にして色温度を変えているというようなことをしてます。そういった人の生体リズムと、あとは色温度と照度の感覚、相性を考えながら、サーカディアン照明というものを運用しております。」

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鈴木「林の方から話があった人感センサーを使ったタスク&アンビエント照明を使うことによって、更に省エネができるということで、こちらの試算となっています。一番左が従来のLEDのベース照明で750lxをとった時のW/㎡です。大体6.4W/㎡なんですけども、それをタスク&アンビエントにして、人がいない時のアンビエントだけの点灯時は350lxぐらいで考えておりまして、その時は約3.2W/㎡ですから従来に比べると、人がいない時では半分ぐらいになります。人がいる時、満席時は5.1W/㎡程度です。ですから、それでも約2割ぐらいになっています。実際の運用は、出社率が100%ということはありませんので、仮定で50%ぐらいの出社率だったとすると、6.4W/㎡に比べると4.1W/㎡ぐらいになりますので、大体35%ぐらい消費電力が削減できるというような、これは試算ですけれども、実現できるだろうというふうになっています。ということで、こちらのコワークでは調光調色を使いながら、更にタスク&アンビエントで不要な灯りを消すことによって、快適性と且つ健康サポートしつつ、省エネが図れるというようなオフィス環境が実現できるということになります。」


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半年後のアンケート結果

鈴木「全体のアンケートをちょっとお伝えしようと思っています。こちらは、人気の作業エリアはどこかというのを聞いています。普段、どこで働いてるっていうことを聞いたところ、上位1、2、3というのは、ビッグテーブルとテラスと4人掛けブースというのが上位になっています。ビッグテーブルは居心地が良い、手元が見やすい、広い。テラスは円卓で意見交換がしやすい、考え事に適する、静か。4人掛けブースが短時間の社内ミーティングに良い、Web会議がしやすい、周りが見えず集中できるというような回答をいただいています。業務効率は向上したかということも聞いています。業務効率が変わったかということで、大体半数ぐらいが業務効率が上がったと回答しています。「照明以外で、業務に良い影響を与えたと感じるものは?」ということで、上位にはバイオフィリックデザインということと、業務内容に応じて働く場所を選べるということで、ABWの効果ができてると。どちらかというと、インテリア全体の話です。「照明について、業務に良い影響を与えたと感じるものは?」ということで、サーカディアン照明、あとは照明環境を選べると。タスクライトが点いているエリアは、基本的に調光調色ができることになっていますので、そういった選択制の自由の豊富さというのが高評価になってるかと思っています。これは2番、3番ということです。一通りねらいどおりの成果を得られたんじゃないかと思っております。」

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まとめ

鈴木「冒頭に林の方から、ABWとか働き方改革とかWELL認証とかSDGsという話がありましたけども、それを下支えするためのエビデンスは、3つポイントがあります。まず、光で集中力を高めますと。そのためには青色光が大事ですということと、リフレッシュするために暗い空間を作りましょうというのが1つ。あと、Zoomブースでは演色性と明るさのバランスをしっかりとりましょうというのが1つです。2つ目は、光で健康をサポートということで、これはサーカディアン照明です。特に青色光をしっかりと適した時間に浴びましょう。午前中です。あとは色温度を下げましょうという話をしました。最後はヒトの感覚を考慮するというのは、植栽をしっかりと見せるというのが1つと、あとは人の感覚をうまく使う。クルーゾフ効果です。色と人の感覚をうまく使って調光調色しましょうということでした。」

     


事務局「これまでは竣工写真を画面でご覧いただいてたんですけれども、実際の1年が経過しようとしているSynca U/X Labを実況中継させていただいております。※アーカイブ動画でご覧いただけます。
私ども、精一杯ご説明させていただいたつもりなんですけれども、なかなか細部までは伝わっていないと思いますし、例えば、緑がどれだけ生き生きしてるとか、本当にそのへんは画面だと多分伝わっていないと思います。なので、是非実際に東京の四谷なんですけれども、ご来場いただきたいと思っております。本日ご視聴誠にありがとうございました。」 ※このページは、2022年11月9日(水)に行われたオンライントークイベントのレポートです。

”これからの働き方”を光でデザインする、遠藤照明の体験型オフィス「Synca U/X Lab」は、以下WEBページで詳細をご確認いただけます。

本オンラインイベントでご紹介しております次世代調光調色「Synca」は、以下WEBページで詳細をご確認いただけます。

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