名古屋の都心に立つこのカフェ施設は、中央の中庭を包み込む軽やかな大屋根を持つランドマーク。建築的特徴である大屋根の下の吹き抜け空間に対し、照明はシンプルな特注意匠器具で明るさを確保し、器具の存在感を消すことに注力した。曲線のコンクリート壁や造作家具に合わせて、器具の取付方法が綿密に調整されている。特に1Fの特注ダウンライトは、コンクリートに埋め込むアウトレットボックスへ取り付けられるよう仕様が調整された。
1Fから3Fには無線調光システム「Smart LEDZ Fit Plus」が採用され、スケジュール制御によって時間や用途に応じた光環境を実現している。3Fバーカウンター奥の次世代調光調色「Synca」は、小さな開口から差し込む太陽光のような光を演出する。複雑なコンクリート構造の中、通信安定化とゲートウェイの隠蔽を両立するため、位相制御ユニット・PMW信号ユニット・有線リピーターを駆使した緻密な配線計画が実行された。B1Fイベントスペースでは無線調光システム「Smart LEDZ Fit」で柔軟な光演出が可能。これらの技術的なディテールが、都会の喧騒の中に生まれた「余白」と「軽やかさ」を支えている。