御坊市新庁舎
- 公共施設
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- ー次世代調光調色「Synca」
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御坊市に語り継がれる“宮子姫”伝説を 来庁者に伝える『Synca』の光
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御坊市に語り継がれる“宮子姫”伝説を来庁者に伝える『Synca』の光
株式会社久米設計 大阪支社
設計本部 部長 松本 健二 様(中)
設計本部 上席主査 秋葉 俊二 様(右)
環境技術本部 電気設備設計室 エキスパート 出野 努 様(左)
和歌山県の中央部に位置する御坊市は、古くから日高別院を中心として寺内町が発展し、熊野街道・海運といった交通の要所として栄えてきました。今回の 新庁舎建設では、御坊市の歴史文化を活かし、街の活性化に貢献すると同時に、自然と調和する新庁舎として、「街を活性化するシンボルとなる庁舎」 「永く使い続けることのできる環境配慮型の庁舎」「自然災害に対応できる頑強な庁舎」をコンセプトに建てられました。
繊細な色に染められた衣が幾重にも重なる。天井に広がる光が、エントランスを魅力的な空間に
旧庁舎からの建て替えとなった本プロジェクトですが、海に面し山に囲まれた自然豊かな街である一方、地震や津波等の自然災害に備えるため、主要な庁舎機能 を2階以上に配置。中間免振構造を採用し、御坊市の防災拠点施設として機能する庁舎となっています。市民に親しまれるシンボルのひとつとして考えたのが、 1階のエントランスホールに設置した「みやこ姫ロビー」です。“みやこ姫”は、第45代聖武天皇のご生母となられた宮子姫(藤原宮子)のこと。7世紀後半、九海士 (くあま)の里(現在の御坊市)でお生まれになったと伝えられ、当地では『宮子姫物語』が語り継がれています。壁面は、姫の髪と飾り櫛をモチーフにした木製の意 匠を施しました。天井は、透明性のある白色の布材(アクリル製)をルーバー上に設置し、調色可能な照明を当てることで、色彩豊かなみやこ姫の着物を表現しま した。その照明に次世代調光調色『Synca』を採用。複雑すぎるデザインとしないようにベースは形状と素材で表現し、副次的に色を可変させることを考えました。使い方によって調色を選択でき、色を変化させることで来庁された方が楽しんでいただける と思いました。遠藤照明のショールームで実物大のモックアップによる照明効果を事前に確認 できたのも決め手となりました。さらには、現地で実際の素材と光を見ながら光を決定していくこと ができたのも大きな要因です。操作タブレットは色温度やカラーなどが、直感的に選ぶことが できる仕組みとなっており、市の担当者も受け入れやすいというコメントでした。淡い日本の伝統 色の色合いが、布のような素材を透過して天井に広がっている様子は、まるで姫が纏った十二単 の衣の重なりのように感じていただければ嬉しいです。通常時の運用は、屋外と室内をシームレス につなぐ中間地点としてのロビーに1日の光の流れを照明で表現。加えて、毎時約10分間、 5パターンの色が変化するようにしました。これらは自動でスケジュール運用されていることから、 時報代わりにもなっています。公共施設では1階ロビーは吹抜けで明るくするケースが多いのですが、 今回は主要機能を2階以上に設計したため明るくするのが難しく、免振構造的にも暗くなりがちな 空間を、照明の力を使い自然な色に表現できたのは大きかったです。宮子姫の伝説を、来庁者の 方に感じていただき、皆さんに愛される憩いのスペースとなればと期待しています。