東京藝術大学4号館 音楽ホール
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天井に露出し豊かな音を生み出す下地材に内蔵されたLED照明
東京都台東区上野公園に本部を置く、国立・東京藝術大学。
今回、地下1階・地上4階建ての4号館改修にあわせ、1977年から中規模音楽ホールとし
て学生の練習場・卒業試験や室内演奏会場として使われてきた第6ホールの改修が行われました。本改修では旧ホールの音の響きを継承し、遮音性
を高め、防災面に配慮した「ボックス・イン・ボックス」構造を採用。内装は旧ホールと同じシナ合板で仕上げられています。
ホール内に足を踏み入れると天井に露出した大量の木の束に目を奪われます。個性的な表情を与えるこの木の束は、通常下地となる束材を内装側に配置するという逆転の発想であり、豊かな音の響きを得るためにホールの気積を最大限に活かし、音響、意匠、構造の合理性を満たす事に成功したも
のです。
ホール客席側のベース照明は、その束材先端に内蔵されたLED照明が担っています。□120という束の細い意匠サイズと、ホール内のどの場所でも学生が自由に練習できるようにという配慮から平均照度500lxが確保可能なモジュールを使用した特注LED照明が開発されました。段席には間接照
明が仕込まれ、動線の安全性も確保。全体の照明は数段階での明るさ切替ができ、シーンに合わせた設定が可能となっています。
ステージ側は多灯用システム照明(ムービングジャイロシステム タイプ Ⅰ)により、すっきりと器具の存在感を消しつつ地明かりが確保され、かつ音の
振動に配慮する設計もなされています。またステージ上部全体を覆っている反響板をアッパーライトで照らし上げる事で圧迫感を払拭させる演出も
なされている等、先鋭的なデザインながら、木束の描く丸みを帯びたカーブと様々に配慮された光が融合した新しい音楽ホールが誕生しました。
主な採用製品
束材内ダウンライト(特注品)
電球色タイプ(3000K)
消費電力 23W