器具の寿命について

照明器具の寿命と長期ご使用の際の安全性維持

  • 照明器具には寿命があります。
  • 設置して8~10年年経つと、外観に異常がなくても内部の劣化が進行しています。点検・交換をおすすめします。
    ※使用条件は周囲温度30℃、1日10時間点灯、年間3000時間点灯。
  • 周囲温度が高い場合、点灯時間が長い場合は、寿命が短くなります。
  • 3年に1回は、工事店等の専門家による点検をお受けください。
  • 点検せずに長期間お使い続けると、まれに発煙、発火、感電などに至る恐れがあります。

照明器具の耐用年限について

照明器具の耐用年限は使用条件(周囲温度・湿度・電源電圧・点灯時間・汚損・振動など)によって大きく影響され、一律に規定することは困難ですが、JIS C8105-1 の解説では次のように示されています。


JIS C8105-1 「照明器具-第1部:安全性追求事項通則」解説より抜粋

電気用品安全法の技術基準では、規定条件での電気絶縁材料の性能の限界を40,000時間としております。実際には諸条件が影響し、30,000時間くらいから磨耗故障期とよばれる部品劣化が始まるとされています。定格電圧、常温で照明器具を集団で使用している場合の使用時間(または年数)と累積故障率の関係は(図●)のとおりです。
この照明器具の累積故障率を基に、照明器具の用途・使用状況を想定して適正交換時期の目安を算出したものを(表◆)に示します。

照明器具の累積故障率図●:照明器具の累積故障率
適正交換時期の目安表◆:適正交換時期の目安

LED電源の耐用年限について

LED電源は多種にわたる電子部品を使用していますのでLED器具の寿命はそれぞれの電子部品の劣化に大きく左右されます。
各電子部品の寿命劣化については下表のように一般的に考えられ、それを考慮した設計をおこなっています。
弊社のLED電源には、寿命末期もしくは部品故障などの異常状態時に、配線に過電流が流れないよう電流ヒューズを取付け安全性を考慮しています。

LED電源の主な寿命要因と劣化現象

部品名称 主な劣化モード 主な劣化影響要因 劣化現象
巻線類(トランスチョーク) 絶縁性能低下 温度上昇・電圧 レアーショート(層間短絡)
電解コンデンサ 電解液の蒸発 温度上昇 容量低下
フィルムコンデンサ 絶縁性能低下 温度上昇・湿度 tanδ(損失)増大、容量低下
半導体部品 半導体チップ絶縁破壊(偶発的発生) 温度上昇・電圧・湿度 ショートもしくは特性不良
はんだ付部 はんだ付部、熱膨張収縮によるクラック 温度上昇・点滅頻度 不導通
プリント基盤 虫、過度なホコリ付着及び予想外の水滴付着による絶縁劣化 使用環境 動作不良
画像

不点灯・点灯モード異常

LEDの寿命について

2008年1月に(一社)日本照明工業会より「白色LED照明器具性能要求事項」が制定され、寿命については「一般用照明器具の主光源として使用する場合のLEDの寿命は、点灯しなくなるまでの総点灯時間、又は全光束が点灯初期に測定した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間とする。ただし、表示または装飾の用途に使用する場合はこの限りではない。」と定義されました。
当社では上記より、白色LEDの寿命は「全光束が初期全光束の70%に低下するまでの時間」と定義させていただきます。
(法令などで寿命定義が定められている場合や、カラー演出など上記の定義にあてはまらないものについてはこの限りではありません)
なお、これらはあくまで設計寿命であり、この寿命を保証するものではありません。

top