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12,000Kの光で照らした桜
皆さんは「桜」という言葉を聞いて真っ先にどんな桜をイメージするだろうか?
晴天の下で咲く姿や、夜、提灯に照らされている姿、白い光でライトアップされている姿など様々だろう。
今回は、調光調色照明「Synca」で様々な光を当てて、桜が映えるのはどのような光なのか確かめてみた。
桜をライトアップするにあたり、いくつか仮説を立てた。
仮説①:桜はピンク色のイメージなので、ピンク色の光との相性が良いだろう
→桜のピンク色がより引き立てられ、きれいに見えるだろうと考えた。これは誰しもが考えることだろう。
仮説②:12,000Kなどの青い光と桜は相性が悪いと思う
→色温度12,000Kで照らされている桜は青白く見えて興ざめだろうと考えた。
仮説③:低色温度の黄色みのある光は相性が良いと思う
→夜でも桜を鑑賞できるように提灯を設置している場所も多く、その提灯の光のイメージと重なるため。
調光調色LED照明「Synca」で各色温度・カラーで桜をライトアップし、その色合いや雰囲気を総合的に評価。
桜と照明の組み合わせが良いと思った場合は1人につき1点を追加する。
被験者5名が各組合せの照明で照らされた桜の印象を評価した。
0点
・桜をピンク色に染めている感じがあり、少々わざとらしく感じた。
Duvは「色偏差」とも呼ばれ、+になるほど緑みがかり、-になるほど赤みがかった光になる。SyncaシリーズはDuv調整機能があり、今回の実験でも使用している。
より詳細に知りたい方は下記のリンクをご覧ください。
12,000K:5点
12,000K Duv-6:5点
・予想とは違い意外ときれいに見える
・スタイリッシュに見える
・花や幹が少しピンク色になり良い感じがする(Duv-6)
0点
・花や葉の色が全部照明光で染まっており、輪郭がぼやけている
・桜の良さが損なわれているように見える
今回仮説を立てた3つのパターン以外にも、いくつかの光の組み合わせを試してみた。
今回は、曇天の空の色に近い6,000K、日中の太陽光に近い5,000K、温白色と呼ばれる3,500Kの3パターンの光で照らしてみた。
6,000K:5点
・12,000Kの光で照らしたときよりも柔らかく優しいイメージ
5,000K:5点
5,000K Duv-6:3点
・葉や枝が鮮明に目立つようになった
・わざとらしい感じがあった(Duv-6)
3,500K:5点
3,500K Duv-6:5点
・花に立体感が出たようだ。山桜をお花見で見ているような印象
・お花見よりも上質 ちゃんとピンク色を感じる(Duv-6)
仮説①に対する結果:ピンク色で桜をライトアップすると素敵だろうと仮説を立てたが、実際の桜の花は白っぽく、ピンク色を乗せるとわざとらしく見え、自然な見栄えにはならなかった。
仮説②に対する結果:高色温度の青い光で桜が映えたのは意外だった。「青空の下で見る桜」という経験と合致したのだろうか?
仮説③に対する結果:低色温度の光は、ある一線を越えると桜の花や枝の輪郭がぼやけた印象になる。また、照明の色が予想以上に桜全体に反映されたため、桜らしさを演出するライトアップには不向きかもしれない。一方、ノスタルジックな雰囲気を出したい場合は低色温度帯でのライトアップも考えられる。
その他:意外と多くの色の組み合わせが合うことが判明した。特に昼間の太陽光に近い5,000~6,000Kの光は、おおむね高評価だった。
光を少し変えるだけで、ここまで桜の印象が変わるとは予想外だった。
また、思ってもみなかった色の組み合わせ(今回は12,000Kの光)が好相性というケースもあった。
意外な組み合わせが合うこともあるので、先入観にとらわれず、今後も自由なライティングを試したい。