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調光調色とは、照明の明るさと光色の両方を調節できる機能のことである。今回は、そんな調光調色機能のメリットやデメリット、実際の導入事例などを紹介する。
調光調色とは、照明の明るさと光色の両方を調節できる機能のことである。基本的に調節はスイッチやリモコンで行うが、最近ではスマートフォンやタブレットなどで操作できる器具も増えている。
調光調色機能には複数のメリットがある。人間が快適に感じる光に調節することで省エネが実現する可能性もあるため、調光調色機能付きの照明器具はぜひ導入していきたい。
「照度」(単位:lx[ルクス])は光源によって照らされている面の明るさの程度を表す単位である。「色温度」(単位:K[ケルビン])は光そのものの色を表す単位で、低色温度ほど赤く、高色温度ほど青い。照度と色温度には「クルーゾフ(クルイトフ)効果」と呼ばれる法則がある。
たとえば色温度の低い光は、照度が低いと穏やかで温かい印象を与える(焚き火の光など)が、照度が高いと暑苦しく感じる。一方で、色温度の高い光は、照度が高いと快適に感じる(日中の自然光など)が、照度が低いと冷たい印象を与える。状況や場面によって変わるが、光環境を設計する際は、照度と色温度を調節できる調光調色機能を用いて、このような快適性に配慮することが大切である。
上述した「クルーゾフ効果」により、色温度の低い光は、照度が高すぎると暑苦しく不快感を与える。そのため、調光調色機能により低色温度時は照度を下げることで、快適性の向上とエネルギーの削減につながる。また、オフィスなどで調光機能と人感センサーを活用すれば、社員の在席状況に合わせて調光し過剰な明るさを抑えることで、省エネを実現することが可能である。
人は朝になると目覚め、夜になると眠る。このような規則正しい1日の体内リズム(サーカディアンリズム)は、私たちの健康維持に不可欠なものである。その体内リズムを整えるうえで、光は最も重要な要素である。適切な時間に適切な量の光を浴びないと、体内リズムが乱れ、睡眠を促すホルモンであるメラトニンが正常に分泌されなくなることがわかっている。
しかしながら、現代人は室内で生活する時間が長いため、日中は光を浴びる量が少なく、逆に夜は光を浴び過ぎている傾向がある。そのため、体内リズムの調整をサポートするためには、「調光調色」機能による光運用で時間に応じて明るさと光色を変化させ、室内に自然光と同じような1日の流れを作り出すことが有効である。
光は仕事の効率に影響を与える。昼の時間帯ならば、高い覚醒状態が求められる事務作業や、集中して仕事を行いたい場合は、高色温度(約4000K以上)・高照度の照明下で作業するとよい。交感神経を活発にし、エネルギッシュな活動を可能にするからだ。
一方で、夜間の作業記憶(情報を一時的に記憶しておく)を要する読書や勉強などは、低色温度(約1800K)の照明にすると、効率が高まる可能性があるそうだ。
調光調色のメリットを紹介したが、デメリットもいくつかある。
デメリットの一つ目は、価格面だ。一般的に、非調光調色(特定の色温度での点灯/消灯のみ)の器具に比べて、調光調色対応の器具は器具価格が高くなる傾向がある。ただし、調光調色の運用によっては電力量ならびにランニングコストを削減できるため、長期的な視点でのコストシミュレーションも忘れないようにしたい。
二つ目は、工事面。器具によっては電源線とは別に信号線工事が必要となる。しかしながら、近年増えている無線で調光調色を制御できる器具であれば、工事面の負担なく導入できるのでおすすめだ。
三つ目は、対応器具の数だ。現状、非調光調色器具に比べて、調光調色に対応している器具の数は少ない。しかし、非調光調色器具との価格や対応器具数の差は徐々になくなりつつあるため、デメリットを気にせずに調光調色を導入できる環境が整ってきているといえるだろう。
最後に、上述した調光調色のメリットを取り入れるための具体的な照明設計術を紹介する。照明の工夫次第で、空間はもっと豊かになる。実際の空間事例も掲載されているため、是非参考にしてほしい。
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